ざっつわんだらんど

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親指さがち-昨日の続き。

あー、一日経ってもいろいろ考えてしまう映画です。
以下、ネタバレなので、ご注意。


三宅さんは映画向きのように思いました。
申し訳ないながら、こんなに表情で語る俳優さんだと、初めて気づいた(遅い)。しかもTVじゃなくアップでじっくり鑑賞したいタイプ。これまであんまり映画に出ていないのが、勿体無いくらい。
今後、彼にはジャンルはどうあれ、「心」をテーマにした作品に参加して欲しいです。
おじいちゃんもね、観てあげてね。最初は目をつぶっちゃうかもしれないけれど(怖いというよりドッキリかなぁ)、最後には健ちゃんの成長を知れて、いい涙が流せると思うので(結構本気)。
あ、レイトショーの最終日だったので、ちゃっかり浴衣のメッセージも見てきました(笑)。


映像が大変うつくしい。ひとも背景も。三宅さんの肉体美と、稚い表情と口調、なにより うわめづかい うわめづかい (うわごと)と、それだけでも結構おなかいっぱいですが(ファンの見方として正しい)。
最も印象強いのが、クライマックスの由美子をみつけた時の武の表情の変化。
やっと見つけたという想いと、助けられなかったのだと理解した想いへと移り変わり、12才の頑是無い顔つきの中にさまざまに巡る気持ちが伝わってきました。心を留めていた武が、子どもに還ることでようやく再び時計の針が動きだしたかのように。けれど、動きだした時はあまりに短かったですね。自殺はまったく推奨できないので、本当なら罪を背負って欲しかった。彼にとって何よりの断罪はあそこで飛び降りることだったのだろうと、最期の知恵に向けた健ちゃんの微笑みが語っていました。正直、武はやさしすぎて強くない子なのだろうと思いました。そんな感覚の子どもは、今たくさんいるんじゃないと、時事的に考えてみたりして。自分の「心の闇」に立ち向かう、勇気。映画を観て、自身の内面に想いを巡らせる子がひとりでもいたらいいのにな、とかも思った(苦笑)。
反して、斧を持って無表情に振り下ろす姿の戦慄もまた絶妙。イノセントなシリアルキラーなんて役どころが、まさか健ちゃんに出来るとは露ほども想わなかったよ。完敗。
総感想としては、内容のつじつまあわせを観客にゆだねる部分が多かったようにも思いますが、私には許容範囲でした。
意外と救いの無い結末…と聞いていったわりには、もしくは事前にそう聞いていたからなのか、視聴後感は悪くなかったです。理不尽*1に奪われる命については、勿論救いようがないのですが、誰にでもある「心の闇」を描くための過程の「死」なので。それが理不尽であればあるほど、「闇」の恐ろしさを際立たせるしね。フィクションだからこそですが。
EDのひまわりを持って歩いてくる武が、せつなくて印象的です。
歩ちゃんはすばらしいですね。スワロウテイル(10年ぶりだった)以来の拝見でしたが、彼女は話に入るにつれ、美しさが際立ち、表情が魅力を増すなぁと。気持ちの「ゆらぎ」と、決意を秘めた表情の対比がすばらしい。舞台挨拶などでお茶目さんしてると普通のお嬢さんなのにね。あ、松山くんも素敵!智彦はとっても男前でしたね。


コンサートで三宅さんが
「この映画を観てなんとも想わなかったひとはヤバイです!」
言うてたので、なんとも想わなくもなかったので、よかったです(?) 健ちゃん!私にもまだひとのこころは残っていたよ!(どんな報告?)

*1:殺される側からしたら、理由なんてあってないものなので。